エージェント






「痛ぇ…」

「ごめんなさいっ…」

「何がだよ」

「ごめんなさいっ…」

「何がだよ!!」

「ごめんっ…」

「いい加減にしろよ!!」



朔羅は振り払おうとわたしを押すけど、わたしは離されまいと朔羅の服をきつく握る。




「ーーお前が他のやつと違うって初めて会った時に思った。段々お前が俺に惚れていくのもわかった。初めてお前が俺の前で泣いた時、部屋で飲み終わったピル見つけた時は気が動転した。親父に初めて頼んで、組の諜報つかって調べれば調べるほど、あんたの事が出てくる」

「っ……」

「兄貴と繋がってた事も、あんたが敵だという事も。何もかもだ」

「さく、」

「お前は、何を謝る?どれに謝る?」

「っ……」

「何が正しい?何が間違い?」