エージェント






暗闇の中でもわかる、その声。


わからないはずがない声。



「朔羅…」

「勝手に消えて、その名前呼ぶんじゃねぇよ」

「っ…」



彼はわたしの上に跨ると、顎を掴み口の中に液体を入れてくる。


ーーなに、これ…。




「はあっ…」

「どうやったら大人しくなるかなって考えて、あんたに寝てもらっても困るから。

ーーーほら、体が熱くなってきたでしょ」

「さく、」

「即効性の媚薬だよ」



体が熱い。

この感覚を、わたしは知っている。



「ここで襲ってほしい?」

「やめっ…」

「逃げないでね」



こんな体で逃げたってすぐ朔羅に捕まることは目に見えてわかる。

それに朔羅が怒ってるのも、ヒシヒシと伝わる。


声は笑ってるけど、目が笑ってない。