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「東が暴れてるっすよ」
「へぇ…」
「驚かへんのですか?」
「なんとなく予想してたから」
「さすがっすね、光希さん」
こっちへ戻ってきたって、仕事はある。
でも仕事で外に出て、実家に戻る生活は流石に飽きてくる。
なのでエージェントの溜まり場に出向くことが多くなった。
マンション…新しいの契約しようかな。
「もっと驚くと思ってた?」
「ええ、もちろん!」
「そりゃ急にいなくなったんだ。東のテリトリーで、高校生を探すことなんてアイツにとってみたら、簡単だろ」
「まあ、俺らが西で探すのと一緒っすからね」
「だろ?」
ただ彼や彼らが探す“阿部コウキ”という人物は、東にも、西にもいない。



