無理だな。 もうこれ以上、赤羽の目的と反する行動は自分の身を苦しめるだけだ。 わたしはただ、もとの生活に戻るだけ。 次の日の朝、まだ太陽が昇りきっていない時間帯にマンションを出た。 予約してあったタクシーに乗り込むと、東京駅へ向かう。 「こんな早くから、旅行ですか?」 「……まあ、そんな感じです」 新幹線に乗り込み、ただぼーっと朝とを眺めていた。 ここへ戻ってくる日は、赤羽光希として戻ってくるだろう。 そうなれば、朔羅も、宝さんも、倒すべき敵。 元々そういう運命なのだ。