「こんな道楽息子だけど、良かったら今後も仲良くしてやってくれ」
「はい…」
「こんなは余計だっつーの!」
道楽息子であることは否定しないのか。
楽太郎と顔を見合わせ、苦笑い。
朔羅もまだまだ子供だなぁ。
この後も用があるっていう本城源は、先に部屋を出て行く。
「俺たちも戻るぞ」
朔羅の一言で主屋を後にする。
けれど、すぐ朔羅の部屋には帰れなかった。
「朔羅、だれ、その子」
黒い着物姿の女性。
高圧的で、かなり気の強そうな。
朔羅そっくりのキリッとした目。
「げ、お袋…」
朔羅のお母さん。
あからさまに嫌そうな声を出す朔羅。
楽太郎も、あんまり良い顔をしない。
「言葉遣いがなってないわね」
「へいへい」



