エージェント




怖いし、かなり力強いため、身動きも取れないし。
こういう時男女の力の差を実感するのやめたい。


「何にもっ…」

「何にもじゃない、さっきラクの言葉に一瞬詰まったし」

「声が出なかっただけだよっ…」

「嘘つけ。考えたのはトダトワのこと?

それとも、兄貴のこと?」


ビクっと、身体が反応してしまった。

ヤバいと思ったが、もうすでに遅い。
体を密着させているから、朔羅には丸分かりだ。



「へぇ、兄貴のこと」


接点あったっけ、なんて言うけれど、言えないだけでありまくりだ。

身体の関係までありますだなんては、口が裂けても言えない。



「コウキ…」


ああ、流されるって。
朔羅に名前呼ばれると、抵抗できなくなるって。


諦めて朔羅に身を委ねた。









「ーーーそこまでだ」