エージェント




「…………」

「アイツは兄貴いないと来ないだろ」


楽太郎は気まずそうな顔を、朔羅はジュースを飲みながら淡々と答える。


「え、なんで」

「そりゃアイツ、兄貴のことが好きだからな」

「サク!!」


慌てたように朔羅に「バカ!」いう楽太郎と、フリーズしてしまったわたし。



「あーもう、なんで言っちゃうのかな。サクって女心わかってないよね。そうだよね。コウキちゃんもこういうの本人から聞きたかっただろうしね。ほんとごめんね。

コウキちゃん…?」


「あ、うん…。へぇ、トダトワって朔羅のお兄さんが好きなんだ」



一瞬言葉に詰まったのを少し朔羅に怪しまれたけれど、なんとか楽太郎には普通に返せたと思う。


お兄さん…宝さんのことが好きなんだ。