「ーーー泣いてないけど、俺」 眉を八の字にし、困ったような表情。 「コウキは魔性の女だ」 近づくために今までやってきたのに、 わたしは後戻り出来ないくらいに、 近づいてはいけない方に近づきつつある。 本城朔羅も、本城宝も、 一体何を恐れているんだろう。 わたしの存在がわからなくなる。