無気力少年少女



あたしが乗ったことを確認すると無言で走り出す。
ほんと、こういうとこゴーイングマイウェイだよねえ。

すっかり真っ暗になった辺りを見渡しながら、「久くんはイケメンだよぉ~」と言う鈴の言葉を思い出していた。


「ついた」

「ここ…」

「ん」

そこはあたしが前に美味しかった、と久に話したお店だった。
覚えてたなんてなんか嬉し恥ずかし……。