「なぁ、駅から店までって距離あるんだけど、タクシーで行くのと、俺とデートがてら歩くのと……」

「タクシー」

銀河が言い終わらないうちに即答する。

「なんだ、残念。これからゆっくりデートでもしながら、愛を育もうとでも思ってたんだけど」

口先で甘いセリフを吐いて、髪を軽くサイドへ流す銀河に、

「ホント、残念ね」

と、嫌味たっぷりに言い返すと、

「この俺が、振られるなんてな…」

と、苦笑いを浮かべた。