仮面の下に捕らわれて

「やだっ!何っ?!」

椅子が倒れるのも構わず立ち上がって謎の感触の正体を見つけようと背後を振り返った。

視界が急に暗くなって…














「んっ!!」

言葉を奪われた。

強引に腰を引き寄せられ、後ろ頭を捕らえられて逃げられない。

「ん~っ!!」

必死に抵抗するも逃げることが叶わない。
段々と息が苦しくなる…

相手の胸板を必死に殴ると、ようやく唇が解放され、息継ぎを許された。

肺に空気が満ちるのと同時に再び唇が塞がれ、緩んでいたその間を割って舌が侵入してくる。

やだ!なにこれっ!

逃げようとしても未知の生き物のように潜り込んだそれは私の舌を捕らえて絡みついてくる。

「んっ!…ふっ…っ!」

全力で相手を押し続けていたら、上顎の内側をなで上げられ、ぞわりと肌が粟立った。