図書室の最奥
秋風にカーテンが波打って、午後傾いた日差しが心地よい。

小難しい本に囲まれたそこは滅多に人通り無く、ゆったりとした時が流れている。

過去には学園内のカップルの密会スペースにもなっていたようだが、今となっては私の専用スペースのようになっている。

常々人の出入りがあっては密会は成立しない。
ましてや図書委員長の私相手では尚のこと。

私が卒業するまでは確実にこの場所は聖地だろう。

頬杖をつき、久しぶりに開いたミステリー小説を堪能する。

そのうちに緩やかに睡魔が訪れ、意識が遠退いていった…