~天へ送る風~



 ひそ、とマグヌスはサフィール王子に耳打ちした。どうしたらいいかわからなくなって

 しまった王子は間抜けにもアレキサンドラ自身に尋ねる。


「な、なあ。城にいる宰相が偽なのはわかったが、どんなヤツなのだろう。マグヌスよりも恐ろしい正体を隠しているのだろうか」


「なんのために泉の水をくんでいらしたのです王子」


「なんだかこれを使うのが怖くなってきたんだ」


「では、それはわたくしが……」


「いやこの私が」


「何をしていらっしゃるのですかー。陽が暮れてしまいますぞー」


 と、王を背に乗せたマグヌスがこちらに向かって尾をうねらせている。