「さあ、帰ってリリアの店でお茶でも飲みましょう。強制連行でもそのくらいは許されるのでしょう?」
王の後をするすると蛇行するマグヌスは、泉から遠ざかるほど人の姿をとりもどしていった。サフィール王子は暗い目をして後に続いた。手には薬瓶を持って。
「老人達はいつもこうなんだから」
と、いう台詞を飲み込みながら。ついでに先ほどの泣き顔も二人が忘れてくれる、わけはないな、と胸の内でつぶやいていた。
そんなことはどうでもよかった事なのだが。
アレキサンドラが瞳を輝かせて言った。
「竜か。そうか。ではマグヌス殿は空を飛べるのでしょうか? 昇竜のごとく!」
「……王子、あのように申す乙女は珍しいことです。逃すものではございませんぞ」



