王子はどうにか努力して目の前の事態を把握しようと試みているようだった。


「封印されたものとはなんのことだ?」


「呪いのよりしろとなるものです。あ、そこにある穴に嫌と言うほど放り込んであります。まあ、彼らはほこらと呼んでいましたが」


「今回に限って、それはもっと、はっきり言うと?」


「あの長剣です」


「では抜きます」


「おいおいおい、できるのか? リック、君にそんなあぶないまねは……」


「できないと、お思いなのですか」


「君は父王の召された花乙女ではないか……」

「だからこそですよ、サフィール王子」