―予言の娘―

 とある日の夕方。

 濁った水をたたえた噴水の前で、ライラをつま弾く詩人がいた。

 そのたたずまいは弱々しく、あひると間違われて翼をむしられる白鳥のようだ。

 ストレートのプラチナブロンドの明るい髪は透き通るようで、雲のまにまにかいま見える陽光によって、陰影の加減で沈んでいるようにも光芒を発しているようにも見えた。

 ちゃり、と貨幣が地にはねた。
「君か、父王の花乙女よ」


「わたくしだとて、もっとましな衣食を与えられております。王とサフィール王子の名の下に」