黙って眠ることにする。が、目が冴えて無理だった。

 まだ、忘れられない。

 忘れない……

 いや、それよりも。

 母を攻撃したあの青い光は……彼女の額にはいまやくっきりと青い一枚の鱗のような痕が浮かんでいた。

 これは……なんなのだ。

 見たこともない。

 見えもしない眼で青い、と感じるだけだ。 

 まあ、たった一つ覚えだけはあるのだが。多分それは気のせいで、気の迷いで、そして不遜極まりない事実なのだ、きっと。

 彼女はひとりベッドの上で、膝を抱いて泣いた。