人心を操るはさすが百戦錬磨の王妃だ。
「マグヌス殿、やはり……」
アレキサンドラがはっとする。小川にどす黒い液体が流れて消えたのだ。
「王子、一旦人々を小川から、いいえこの霧の中から出してください」
「なぜだ。人数が多すぎて指示が届かない」
「それではマグヌス殿をお留め下さい。敵は体内に毒を持っております。血が……毒の血が流れて小川に……、しかもいくら待っても止まらない様子なのですあの量は、危険だ」
アレキサンドラの腕ががくがくと震えた。王が受けたのと同じ毒だ。あちこちからうめき声がする。
それは……マグヌムの血の所為だった。



