~天へ送る風~


 衣装はリリアの店のオーダーメイド。

 魔術に長けた王妃の丈は大きな真紅のオーブをいただいており、王は光り輝く材質もわからない程の立派な鎧をまとっていた。

 そんじょそこらの装備品ではない。

 そのときの人々の喝采をもし、リリアが見ていたとしたら、大きな自信を湛えた瞳で微笑んでいたことだろう。


「今、良い見本がどったんばったん、暴れているじゃないか。彼らだってちょっと前まで『そのようなもの』扱いだったのだぞ」
 

 瞬間的にサフィール王子の言葉が正論とわかり、アレキサンドラは非礼をわびた。


「本当に、王子様の仰るとおりでございます」


 二匹の大蛇(おろち)の喧嘩は悪化していたが。