草や木の間から腐臭がするし、カラスが何かにたかっている。
そこへ、水がまかれた。ここまでは来ない、しかし小川から少しずつ泉の水が流れ込んできていた。
きらきらと、心まで浄化されようかというすんだ空気の冷たさ。それでも人々にはわかる。
水に入り、泉の守護を受けた。もう何も怖くはない。
目のよくない者は心に、耳のよくない者は全身に、より強く神の加護を感じ取っていた。
そこへ、一頭の怪物が現れたのである。
陽の光浴び、頭上に神々しくも幾筋もの光芒をいただき、七色の光矢(ひかりや)を持
って、神の顕現(けんげん)をなした。
偽宰相の耳に人々のどよめきが聞こえる。



