彼らは千人は入るかと思える中庭を前にあっけにとられていた。
彼ら、というのは城下の人々で、身分問わずの大パーティーをするから祭りのつもりでくるようにと王子の名前で集められたのであった。
そして、中庭のスプリンクラーで泉の水をまき散らしたのだ。
集められた人々は、いきなりの上にびっしょりと水浸しにされてパーティどころではないと逃げ出した。
母親は子供を抱えて走り去る。
子供は喜んでいる。
好都合だった。
これからが本番だった。
「マグヌム、マグヌム! 我は泉を守りし森の神だ。悪さをしたな、出てこいマグヌム」
人々は動揺し、林から森へ逃れた。
王が狩り場にと馬で足を運ぶ森に、動物は一匹もいなかった。
いや、「生きた」動物は、と言い換えるべきであろうか。



