~天へ送る風~



「だから、時々は泣いても良いんだよ」


 アレキサンドラがくしゃっと頭をなぜると、少女は花が開くときのように笑った。

 アレキサンドラもつられて、微笑んだ。


「おねえちゃんは、弱虫なんかじゃないんだよ。今はとっても大変なだけなんだよ!」


 アレキサンドラは思わず目を閉ざした。

 心の怪我なんて、甘えてる。

 こんな小さい子に励まされるなんて、なんて頼りない自分。

 そこへ比較的脳天気の王子の一言。


「いいやあ? このお姉ちゃんはすっっごい泣き虫だぞう」


 背後で王子の声がするので、振り返るとにやついた顔が。逆光で笑った歯だけ見える。


「わ、私がいつ!」

「年がら年中泣いてるさ。それっくらい見ていれば分かる」