「真陽の夜には、月が必要?」



しばらく黙っていた満月が、あたしに問いかけた。



「うん。」



「じゃあ俺、真陽の月になりたいわ」

「もう、なってる」



気持ちが、伝わった気がした。

あたしが目を閉じると、暖かい空気が、顔に近づいた。



………そして、暖かい感触が唇に伝わった。