カシャーン。


宏が落としたケータイの音が、騒がしい職員室のざわめきに、かき消される。


「征・・・事故った・・・の?」


最初に口を開いたのは、宏で。


「ねぇ・・・凌」


宏はキュッとオレの腕をつかんだ。


「ちょっと待ってろ。
担任に、病院聞いてくる」


オレはワナワナ震える宏を職員室の入り口に残し、担任に近寄った。