“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】

「遥ちゃんっ」


長谷川くんがあたしの腕をつかんだのは、ちょうど坂を下りきったあたりで。


その衝撃で、あたしの右手の中にあった指輪が、ポーンと孤を描いて、手の中から飛び出した。


「や。
凌っ」


どうしよ。
凌がくれた大事な指輪なのに。


落ちて転がっていったのは、交通量の多い大きな道で。


どうしよ。
車がきたら、壊れちゃうよ。


やだ
やだ。


あたしは
手の中から飛び出した指輪を


すぐにでも取り戻したくて
すぐにでも拾い上げたくて