プチ。


イラつきながらボタンを押し、
ケータイを耳と肩ではさみながら、


「宏。
さっきから、うるせぇよ」


遥に聞こえないように、
低く小さな声を発すると、


「凌!
メール見たなら、
ちゃんと返信してよね!!」


宏の、男のわりに高めの、
小さな犬が吠えるような、
きゃんきゃんと大きな声が響いてきた。