イラつきながら店内に戻ると、
春山の何か言いたげな瞳にぶつかった。


・・・おまえさ。

・・・いったい、どこで、見てんだよ。


春山から、イラっと目を逸らしたオレに、


「バッカじゃないの?
さらに泣かしてどーすんのよ」


春山は、オレのネクタイを掴んで、柱の陰へ引っ張る。


「好きな子に。
好きって言うだけでしょ?
何がそんなに大変なのよ」


押し殺そうとして失敗したような興奮した声で、


「もっと素直になりなさいよ!」


オレの胸にリボンのついた箱を押し付けた。