なんで・・・。 なんで、遥から。 男物の香水の香りがするんだよ。 どうしようもない感情が、 胸にこみ上げてくる。 遥から。 女の子独特の甘い香りがすることはあっても、 こんな香りがしたことは、今までないだろ? こぶしを握り締め、 同時に唇をかみ締める。 知らず知らずのうちに、 割と広い店内。 “アイツ”の姿を捜し、 「チッ・・・」 見当たらないことに舌打ちして、 オレはプールサイドに足を向けた。