“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】

苛立ちに任せて帰ってやろうと、
店の出口に向かい、


「お・・・っと」


急にドアを開けて入ってきた春山とぶつかりそうになった。


「わりぃ」


謝ったオレに、


「・・・まどろっこしいわね」


春山は、低く小さいけれどもはっきりとした声で、
いきなりオレをバカにして、


「ヘタレ」


口の端を歪めて、ニヤッと笑った。