“あっちに行ってろ!
今、それどころじゃないんだよっ”


マロンを頭ごなしに怒鳴りつけたかったけど。

マロンには何の落ち度もないし、

オレの八つ当たりに付き合わせるわけにもいかなくて。

おまけに。

いつもすごくかわいがっている、
この小さくてあったかい物体を邪険にすることもできず、


「しょうがねぇなぁ・・・」


オレは小さくため息をついて、

甘えた顔でハフハフ舌を出すマロンを抱き上げた。