手をうちわ代わりにして、ぬるい風を顔に送る春山に、
嫌味なくらいの低姿勢でお辞儀をし、
「どうぞ中にお入りください。
姫」
春山のあだ名を口にする。
「うむ。
苦しゅうない」
無表情でそう言ったくせに、
オレの横を通りすぎる時、
春山はオレの腹に、ボスッとこぶしを沈めた。
嫌味なくらいの低姿勢でお辞儀をし、
「どうぞ中にお入りください。
姫」
春山のあだ名を口にする。
「うむ。
苦しゅうない」
無表情でそう言ったくせに、
オレの横を通りすぎる時、
春山はオレの腹に、ボスッとこぶしを沈めた。

