「今も息苦しい?」
彼方が心配そうに、聞いてきた。
「うん。少し…」
喘息じゃないから、まだ我慢できる。
「じゃあ、聴診するよ。」
そう言うと、彼方は私の服をめくってきた。
私が戸惑っていると、彼方が聴診器を当ててきた。
「ゆっくり深呼吸して。」
緊張するよ…。私の心臓すごくドキドキしてる…。
スゥー………ハァー…
「はい。いいよ。気圧による一時的なものだと思うから、気にしなくて大丈夫だよ」
よかった。
「奏はいつになっても聴診慣れないよな。」
私は顔が真っ赤になって、
「だって恥ずかしいんだもん」
彼方が頭をぐしゃっとなでた。

