「奏?調子悪いの?」
気が付くと、彼方が前にいた。
あきらかに、ちょっと怒っていたから、正直に答えた。
「俺言ったよな?調子が悪くなったら、すぐに言えって。どうせ、俺の迷惑になるって思ってたんじゃねぇの?」
何も言わなくても、彼方には、何でもお見通しだ。
「うん…」
今までは、半分彼氏。半分医者の顔から、完全に医者の顔になった。
「喘息出てきたの?」
「喘息は出てないけど、ちょっと息苦しい」
「取りあえず、俺について来て。亜美ちゃんごめんね。ちょっと奏借りるね」
私は亜美にごめん。と言った後、彼方の後ろをついて行った。

