とぶつぶつやっているので、てっきりあっさり行くものと、思っていたものを。再三、主に仕えているのだからと断られた。


 だが、当の主人は。


「ほんとに腕尽くで連れてゆくのならワシは止めはせぬ。楽しい友人が減るのは哀しいものだが」


 すかさず王子と一緒にアレキサンドラも、その『希望』にとりすがった。


「それでは、マグヌムをお引き渡し下さるのですか?」


「よいよい。ちと退屈になるがな……」


 王子に倣ってアレキサンドラは跪いて礼をとった。


「なんじゃい、それは。地上式のまじないか?」