アレキサンドラが言うと、気(き)短気(みじかげ)に主はイライラと大きなオーブのついた杖で床をどん、とついた。 『この先、ただの人間にこの地獄を浄化されたと、ワシは嘲笑されねばならぬのか。愚弄であるぞ!』 アレキサンドラは跪いた。 「恐れながら申し上げます。私どもは竜殺しの罪人であります。額の青い鱗のような印がその証」 『ならば』 と、地獄の主は傍らを示し、 『その呪いを刻んだのはこのものの怨念に違いあるまいな』