「こら! リリアン。彼女を口説くとは、私と張り合う気か」


『だって、俺は全ての恋心を元気にするチアーの魔法が使えるんだぜ。俺の目標は悲しい恋を不幸にしないって、決めたんだ』


 アレキサンドラにも王子にも、他人事とはとても思えない言葉だった。


『だれだって、ああ、恋して善かったって、思いたいだろ?』


「できれば、そんな風に終わらせたくはないが、続きは? あるんだろうな」


『ああ、愛して善かったって思って欲しい。俺は恋愛と勝負事を司る女神候補なんだ』


「女神候補がカエルの口の中にいるの?」


『また言うー。尊敬しろよ、神様だぞ』


「その神様が、私たちに肩入れするのは、どういうことだ?」