「クリスタルチェイサー、とはなんなの」
『や。すまねえ。すでに情報が渡ってる前提で話しちまった』
要するに主の操るアンテナだ。クリスチーネは語った。
「それで部屋にこもって滑稽だぜー。興奮するとふっといしっぽ振り回しちまってさー。部屋中真っ暗の超! ビップ席だぜ。まるで闘技場そのものの臨場感で、アンテナのおかげで四方八方、どこからでも好きなだけ、超! 立体で観られる』
「やけに詳しいな」
「俺も美少女時代には主のもとに侍っていたもんだ。スカラベ競争ではヘマしちまって、放り投げられるように、捨てられたけど」
「美少女……王子、わたくしと彼女と、どちらが美しいですか」



