~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>



 そう、今までになく、そいつは危険なんだぜ、とクリスチーネは話し始めた。
 
 主が間違いなく席を外さないのは『円形闘技場(コロシアム)』だけだ。

 奔放な方でな。
 
 クリスタルチェイサーで、血糊の一滴も余さず観戦なさる、という噂だ。


「だ、そうだ……本当に頭が痛い」


『んでよ、頭の良いことに、お姿は全くお見せなさらんのだ』


「なぜ?」


『ここへ来てなぜとは。滑稽だぜ、お嬢ちゃん』


「だって見当もつかない。ここのシステムはわかった。きっと囚人同士で獲物をもって闘わせるのでしょう」


『そうだよん。そんで、負けた方は門の周辺に転がされるのさ。わかった?』