~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>

『よしんば会えずとも、主に話しはつけられるかも知れねー。そいつを渡さねば地獄そのものを維持できなくするぞ、とな』


「脅し、な。その前に治外法権を行使するか」


 アレキサンドラがひとつ、頷く。


「王子、やはりここは一つひとつ、地道に行くしかないのでは?」


「誤るなリック。選択肢はまだある。近視眼になるな。そうだろう、リリアン」


『ゥ、俺の真名を……ああ、ある。二つ三つほどな』


「クリスチーネ、それはある意味危険と隣り合わせなのではないの?」


『まあ、端的に言えば、そうだ。嬢ちゃんわかってるじゃねーか。大好きだぜ、そういうの』