『一本道なんてありゃしない。効率よく、さっさと地獄を通り過ぎるしかねーんだ。今回のように、地獄にあって奇跡など期待するなよ』
「おまえがさっさと探して、その道を行けば簡単だろう?」
『そんなア、冷たいよ王子イ。第一、魔道にしたっていっつも入り口が開いてるわけじゃねーんだぜ。だから強行突破で一つひとつ通り過ぎるしかねーんだ』
「なんという非効率」
王子が言うと。
『たった一つ道がねーわけじゃねえ。罪を犯せば一旦は主の前に引っ張り出される。そのときそのう、マ、グヌムってやつがだな、主にひっついているともいないとも限らない』
クリスチーネが慌てたように付け加えた。



