~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>



「結果としては」


 王子は深いため息一つ。そして言った。


「最高だ」


 クリスチーネはでっかい目を丸くして王子を見やった。


『だけど王子、俺、本当に危ないんだ。このまま、ここにこうしていたら、地獄つぶしなんてやっていたら、えれえ奴に目エつけられちまう』


「たぶん、それはない。それならとっくに召し上げられていたはず……でも、こうしていれば、相手から仕掛けてくるだろう。その点に置いては、偶然とは言え、お手柄だ。クリスチーネ。だれもおまえのような小さ神の仕業とは思うまいよ」


『うわーん、小さい言うなー!』


「褒めている」


『それはうれしいけれど実際、命の危機なのー!』