「かわいそうに……」 クリスチーネは身を凝(こご)らせて泣いている。 「彼女に謝って下さい」 「では先に事の次第を聞かせてもらおうか。言っておくがあの奇跡を起こした二人は、私がスカウトしてきたのだ」 なんのために岩の塔なぞ作り上げたのか、それに今、蜂の子サイズなのは力とやらを使いすぎた為なのか。 クリスチーネは言った。 『だって、なにか目標があれば、目指すところがあれば、一瞬でも苦しみを忘れる事ができるだろう。嘆かずにすむだろう。全力で闘った者は次の魔道へ逃すつもりだった』