~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>



『おう、じ……そんなふうに、思って……言うなよ。俺だって、精一杯、褒めてもらおうと……なのに、そんなふうに言うなよオ!』


「王子、なんてことを! クリスチーネは全て予測して、彼らの上に奇跡をもたらしたのだわ。一番の功労者に対して! なんて、事を!」


 王子は彼女の平手打ちをあえて避けなかった。


「これで気が済んだか」


 彼女の手の方が痛んだ。


「いいえ!」


 彼女は悔し涙を浮かべて、王子を打った手を胸に当て、もう片方の手でかばうようにおさえた。