~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>


 ふーん、とクリスチーネは呟いた。


『こいつらもうすぐ天上に送られるな。己でマイナスなカルマを払拭するとは、驚きー』


 それとも。あるいは、と考える。


『早くしないと、こいつら、地獄を変えてしまうぞ。なんたってあの尋常でない慈愛の涙!ただ事ではない献身』


 その奇跡の涙はクリスチーネ自身にも降りかかった。


『これは、もしや釈迦の入滅後五十六億七千万年に達すると現れるとゆー、メシアにでも生まれ変わったのか?』


「生まれ変わったのは彼らなのかしら? この暖かな涙に触れて、みんなが救われてゆく」


「私は生まれて初めて神に感謝する」