~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>




 ずおおおお!



 かつて頭脳の大きさで背丈を稼いでいた赤子が大きな手で岩を圧した。無理だろう。

 とは見えたが、その行為に気が付く者はなかった。みんな自分の事で必死だったのだ。


「ふん、ふん、ふん!」


 大岩の塔の下段から吹き飛ばされてゆく。なんという怪力。ついに塔は崩れて、


「ここまで、来たじょ。ふううー! ぼくちん頭脳派だから、ちょっと堪えたじょ」


 そう言うと、彼は燃え尽きたように動かなく、なった。


「みなさん、みなさん!」


 と、涙の女性が清らかな涙のシャワーで焼かれた人々を洗った。