~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>

 頭の大きな赤子だった男性がスフィンクスのように前傾姿勢で跪き、背を焼かれて、黒こげのシルエットだけになっていた。

 泣いた女はもっと泣いて、周囲に膜のようなものを形成して身を守っている。

 他は、大概が意識を失おうとしていた。

 ただ呆然として、涙を流し続けるアレキサンドラに、クリスチーネが根負けしたかたちで、魂の選別が行われた。


『ちえ。いいよ。こいつらがどうなるか、知らねーからな。おっと、今回は前払いだ』


「ありがとう、クリスチーネ」


『おうっととと、もったいねえー』


 ちゅ、と彼女の涙を吸って、パワーアップ!