~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>


 そして。

 辺り中、燃えさかる炎。


『みんな、この業火に焼かれて無になるのさ。噂に聞くと、罪の深いものたちほどあの火は厳しく、苛烈に感じるらしいぜ。俺はなー、まーったく興味ねーんだけどな』


「暖かい……王子、これは本当に地獄なのでしょうか」


「暖かなオレンジ色の灯が目にしみる者もいるさ。似たようなものだろう」


「それは経験から仰るので?」


「さあな」


「教えて下さらないのですか?」


「ここは地獄だ、ここでなお、罪を重ねる事もあるまい」


「それは……本当のことを仰るつもりはおありでない、と?」