『あんまりな、心配かけんじゃねーぜ、王子イ、地獄までおつきあいしてんのは、ここにだっているだろ』
「そこにいたのか、クリスチーネ。よかった。その件については悪かった。私見のみですまない」
『ちぇーっ、助けがいのない奴ー。それに比べてあの娘は良い子だよ、ほんと』
「クリスチーネ、もしやリックにその気が……」
『イイイーッ。なあんでそーなんの? もう、恋は盲目だなあ。参っちまうよ。俺はち・が・う! から! まあ、その、人間としてだな、ずいぶんマシだなあと、いや、本音は惚れてるけど、あの魂には……イチチ、そんなに力を込めるなよ。つぶれる!』
今の彼女には羽根がなかった。それで王子は彼女を服の上からつまみ上げた。



