「ここは地獄だ。こんなものだと思っていたさ」
負けるものかと剣を振った。くじかれてなるものかと希望を捨てなかった。
だけど意地で通れるほど甘くはなかった。
血まみれになって戦い、傷ついても魂だけは穢されない彼女に、クリスチーネが『しっかたねーな!』と頭をかいた。
蜂の子サイズで適当にやり過ごしていた彼女が、アレキサンドラの耳元でささやく。
『自分にとって一番つらい選択を』
「自分にとって、一番?」
それは逃げること? 王子をおいて?
「そんなこと、できない」
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