~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>


 全員が光の輪につかまって天上に向かってゆく様はまさに光の輪舞。


「思い出すなあ。あの大変だった春の祭典を」


「ああ……って、大変? 華やか、じゃなくって?」


「ボク、あの祭りの日、生まれて初めてスカートを履いたんですよ。馬鹿みたいにくるくる回って、ちゃんと言われたとおりに目を回さないように気をつけたんですけど」


「なんだ、平気な顔して笑っているから楽しいのかと思っていたのに」


「あれは男の、その、幼なじみが、滑稽をしていたから」


「なんだか妬けるな。幼なじみ? 恋の相手ではなかろうな」


 アレキサンドラはクスリと笑って、まさか、と否定する。